見逃しが多いって本当？

アキレス腱断裂は、バスケットボール、バレーボール、フットサル、剣道などのスポーツ中に起こる怪我です。ですので、足首の捻挫や筋肉の痛み、肉離れなどと間違われる場合があります。

受傷したご本人も「足首を捻ったような気がする」、「筋肉がブチっとなった」などの感覚を覚えることがあります。

しかし、これらの感覚は医療者側にとって足首の捻挫や肉離れを強く疑うエピソードになっているのです。これが見逃しの原因の一つです。

Point1でお話したように、受傷シーンだけでは見逃しに繋がってしまいます。

また、アキレス腱を詳細に確認するにはレントゲン検査では不十分です。

ですので、正確に確認してもらうためには、エコーかMRIが推奨されています。

レントゲン検査や触診のみにならないよう、機器を完備した専門の施設へ受診しましょう。

学生さんも含め、スポーツの試合や練習はだいたい土曜日や日曜日の休日に行われることが多いです。

ですので、休日にアキレス腱断裂を疑うような重症の怪我をした場合、大きい病院の救急外来へ受診されることが多いと思います。

しかし、救急外来には外科や内科の先生がおられることが多く、アキレス腱断裂の専門の先生がいることはとても少ないです。もしいたらかなりラッキーなことです。

大きい病院の救急に受診する必要があるのは、「意識障害がある」「麻痺がある」、「出血している」、「しびれが強い」など救急を要する場合に受診しましょう。

アキレス腱断裂は重症な怪我ですが、それのみでは、救急を要する症状は多くの場合出現しません。アイシングや患肢挙上（足を心臓より高く上げておくこと）を行い、平日に専門の先生へ受診することをおすすめします。

受診は5日以内であれば、最終的な治療成績は同じとされています。ですので、お近くの専門の先生がいる施設、いる曜日、いる時間帯などを確認していただき、受診することをおすすめしています。

Point3でお話ししたように、専門の先生がいない時間帯、曜日に受診しても、結局再度専門の先生のいる時に受診しないといけません。5日以内に信頼できる先生を探し、スマートに受診しましょう。

報告によると、見逃しが多いのは、専門の先生がみていない場合がほとんどのようです。実際、専門の先生がみれば見逃しは100％ないそうです。

足の専門の先生、中でもアキレス腱断裂の研究や学術発表、さらには学術論文を書いているような先生はとても信頼できます。

アキレス腱断裂は、そのくらい専門性のある怪我です。一般的な施設ではアキレス腱断裂をお断りしている施設もありますので、下調べをしっかりとしてから受診しましょう。

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