〒470-0331 愛知県豊田市平戸橋町永和131
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肘部管症候群(小指側のしびれ)

小指と薬指がしびれるなら、肘部管症候群かもしれません

肘部管症候群は、肘の内側にある神経の通り道(肘部管)で、小指へ行く神経(尺骨神経)がしめつけられ、小指と、薬指の小指側がしびれる状態です。肘をぶつけると「ビリッ」とする所が、ちょうどこの神経の通り道です。

肘を曲げたままだとしびれが強くなる、肘の内側をたたくと指へひびく、手に力が入りにくい、といったサインがよく見られます。スマホや電話・パソコンの時間が長い方、肘を曲げて寝る方、肘をついて過ごすことが多い方に起こりやすく、「そのうち良くなる」とがまんしてしまう方も少なくありません。しびれが長く続くと、手の中の小さな筋肉がやせて、箸やボタンが使いにくくなることがあります。当院では、エコーで肘の内側の神経を確かめ、首や手首からのしびれとも見分けたうえで、回復を助けます。

当院は、運動療法を大切にしています。

肘の使い方の工夫と夜のサポーターで、肘の神経を休ませます。

肘の内側の通り道で、神経がしめつけられます

こんな症状はありませんか?

  • 小指と、薬指の小指側がしびれる
  • 肘を曲げたままだと、しびれが強くなる
  • 肘の内側をたたくと、指へビリッとひびく
  • 手に力が入りにくい、箸やボタンが使いにくい
  • スマホ・電話・パソコンの時間が長い、肘を曲げて寝ることが多い

肘部管症候群は、肘の内側の通り道で神経がしめつけられて起こります

小指へ行く神経(尺骨神経)は、肘の内側の出っぱりのすぐ後ろにある、骨とじん帯でできた細い通り道(肘部管)を通っています。肘を曲げると、この通り道はせまくなり、神経は引きのばされます。肘を曲げたままの時間が長い・肘の内側を押しつける、といったことが続くと、神経がしめつけられて、しびれが出ます。

こんなときに起こりやすくなります

肘部管症候群が起こりやすいのは、次のようなときです。

  1. 肘を曲げたまま(スマホ・電話・パソコンの時間が長い)
  2. 肘を曲げて寝る(腕まくら・肘を深く曲げた寝方)
  3. 肘をついて過ごす(机やひじかけに肘の内側をのせる)
  4. 投げる・肘の変形(野球などで投げる方、昔の骨折などで肘が変形している方)

腕の神経のしめつけでは、手根管症候群に次いで2番目に多く、年代が上がるほど多いと報告されています。

出典:Mondelli M, et al. J Neurol Sci 2005;234:5-10

しめつけが続くと、手の筋肉がやせていきます

手の中の小さな筋肉(指を開く・閉じる、物をつまむ筋肉)は、この神経で動いています。はじめは小指側の「しびれ」だけでも、しめつけが続くと、親指と人差し指のあいだのふくらみがやせてくぼみ、薬指と小指が曲がったままになることがあります。指が開きにくい→箸が使いにくい→ボタンをとめにくい、と細かい動きがしにくくなります。

小指側のしびれは、首の骨のあいだ(頚椎症性神経根症など)や首〜肩の付け根(胸郭出口症候群)、手首の小指側で神経がしめつけられて起こることもあります。肘部管症候群では、肘を曲げるとしびれが強くなり、肘の内側をたたくと指へひびくのが特徴です。親指〜薬指の親指側がしびれるときは、手首の手根管症候群のこともあります。当院では触って・動かして確かめたうえで、エコーで肘の神経を見ます。

しびれのあと、手の筋肉がやせることも

  1. 正常:指を開く・閉じるが、スムーズにできます。
  2. しびれる:小指と、薬指の小指側がしびれます。
  3. 筋肉がやせる:親指と人差し指のあいだがくぼみ、薬指と小指が曲がったままになることがあります。

研究でわかっていること

肘部管症候群については、国内外で多くの研究が行われています。ここでは、その一部をご紹介します(数字は研究の報告で、当院の成績ではありません)。

腕の神経のしめつけで、2番目に多い病気です
イタリア・シエナ県の住民の記録を5年間調べた研究では、肘部管症候群と新しく診断された人は311人で、1年に10万人あたり約25人でした。腕の神経のしめつけでは、手根管症候群に次いで2番目に多いとされています(男性は女性の約2倍)。

また、軽い〜中くらいの70人の研究では、全員がしびれの原因と「しびれを強くする肘の使い方の避け方」の説明を受け、6か月後まで追えた人の約9割(89.5%)で症状が良くなっていました。この研究では、夜の装具や神経を滑らせる運動を足しても、上乗せの効果は見られませんでした。

腕の神経のしめつけでは、よくある病気です

出典:Mondelli M, et al. J Neurol Sci 2005;234:5-10/Svernlöv B, et al. J Hand Surg Eur Vol 2009;34:201-7

しびれが長く続くと、回復に時間がかかることがあります
中国で神経を移す手術を受けた127人を調べた研究では、手術のあと一時的に症状が悪化した人が約4人に1人いて、しびれが続いた期間が長い人(約2年をこえる人)ほど悪化しやすい傾向がありました(この悪化は一時的で、6か月後には多くの人が良くなっていました)。

一方、手術をしなかった24人を1年後に調べたイタリアの小さな研究では、しくみと姿勢の説明を受けた人の約半数でしびれが軽くなり、多くの人が腕の姿勢を変えていました。しびれをがまんせず、最初の対応を大切にしましょう。

出典:Hu T, et al. Neurosurg Rev 2026;49:234/Padua L, et al. Clin Neurophysiol 2002;113:1980-4

しびれが長引く前に

肘の使い方の工夫・夜の固定・運動療法を組み合わせます

肘の使い方の工夫・夜の固定・運動療法

軽い〜中くらいの19人を約2年追いかけたアメリカの研究では、夜に肘を曲げすぎないよう支える固定と、肘の使い方の工夫で、24肘中21肘(88%)が手術をせずにすみました。20の研究(687例)をまとめた報告でも、肘を支える固定を使った人の89%で症状が良くなっていました(ほかの方法とは比べていない研究が多く、結果に幅があります)。

また、19の研究のまとめでは、肘の内側の出っぱりの高さで神経の太さを測るエコーで、肘部管症候群の人の約8割を見つけられました(神経の検査ほど確実ではありません)。

当院では、エコーで肘の神経を確かめ、まず肘の使い方を一緒に見直し、夜のサポーターと運動療法を組み合わせて進めます。

出典:Shah CM, et al. J Hand Surg Am 2013;38:1125-30/Natroshvili T, et al. Arch Plast Surg 2023;50:70-81/Haj-Mirzaian A, et al. AJR Am J Roentgenol 2020;215:1171-83

当院の3つの施術

確かめる・休ませる・動かすの3つを組み合わせて、しびれの少ない腕を目指します。

エコーで、肘の内側の神経を確かめます

超音波の画面で、肘の内側の出っぱりのあたりで神経が太くはれていないか、肘を曲げたときに神経が通り道からずれていないかを確かめます。首や手首からのしびれかどうかも、触って・動かしてあわせて見分けます。画面を一緒に見ながらご説明し、必要なときは、神経の検査など精密検査のできる医療機関をご紹介します。

正常では、神経が細く写ります。肘部管症候群では、肘の内側で神経が太く、はれて写ることがあります。

エコーのイメージ図(当院作成)

肘を曲げすぎない工夫で、神経を休ませます

スマホや電話は肘をのばし気味に(イヤホンやスタンドを使う)、机やひじかけに肘の内側をつかない、作業の合間にこまめに肘をのばす、など肘の使い方をお伝えします。

しびれが強い時期は、夜に肘を曲げすぎないようサポーターで支え、寝るときは肘をのばし気味にします。着ける時間や場面は、しびれの具合や生活に合わせてご提案します。

夜のサポーター・肘をのばし気味に寝る・肘の内側をつかない

運動療法で、肘だけに頼らない腕へ

当院がとくに大切にしているのが、運動療法です。猫背で肩が前に出ると、肘や手で無理をしやすくなります。肘だけでなく、肩甲骨・胸・体幹まで整えて、肘を曲げすぎずに使える姿勢を目指します。仕事や家事の姿勢も一緒に見直し、しびれの具合を見ながら、スタッフと一緒に少しずつ進めます。

終わりの時期は、姿勢・肩甲骨の動き・指を開く/閉じる力・仕事や家事ができるかと、しびれや痛み・エコーでの神経・肘の動く範囲をあわせて判断します。

正常な姿勢・猫背

当院の運動療法(時期別)

どんなに良い運動療法も、時期とやり方を間違えると、しびれがぶり返します。当院では、しびれの具合に合わせて段階を進めます。

  1. しびれが強い時期から:胸を開く 腕を広げて、胸を開きます。
  2. しびれが落ち着いたら:背中を丸める・反らす 背中をゆっくり丸めて、反らします。
  3. 手が使えてきたら:肩甲骨を寄せる ゴムを引いて、肩甲骨を寄せます。
  4. 手が使えてきたら:体幹 ひじをついて、体を支えます。

肘だけに頼らないよう、肩甲骨・胸・体幹まで整えます。スタッフが肘と手の様子を見ながら、回復に合わせて進めます。進め方は、しびれを見てお伝えします。

運動は一例です。当院の運動療法

しびれが強い時期から胸を開く運動、しびれが落ち着いたら背中を丸める・反らす運動、手が使えてきたら肩甲骨を寄せる運動と、ひじをついて体を支える体幹の運動へ進めます。

当院がおすすめする通院のペース

はじめの時期は毎日、良くなってきたら週3回、さらに良くなったら週2回。復帰の前に、痛みや動きを確かめて最終確認します。回数を減らすタイミングは、症状を見て、こちらからお伝えします。

  1. はじめの時期は毎日:エコーで確かめ、肘の使い方と夜のサポーターをお伝えし、運動療法を行います。
  2. 良くなってきたら週3回:運動療法の段階を進めていきます。
  3. さらに良くなったら週2回:指を開く・閉じる動きや、仕事・家事の姿勢を見直します。
  4. リハビリ完了時に最終確認:動きと肘の様子をあわせて確かめます。

回数を減らすタイミングは、症状を見て、こちらからお伝えします。

困ったときは、いつでもご相談ください

こんなときは、すぐご連絡を

  • 手に力が入らない、物を落とすことが急に増えた
  • 親指と人差し指のあいだがやせてきた、指が開きにくい
  • しびれが手全体・両手・足にも広がる
  • 首を動かすと腕に強くひびく、首や肩の痛みが強い

おうちで守ってほしいこと

  • 肘を曲げたまま、長くスマホや電話を使わない
  • 机やひじかけに、肘の内側をのせない
  • 寝るときは肘をのばし気味に(お伝えしたサポーターを使う)
  • しびれをがまんして、同じ作業を続けない

肘部管症候群に関するよくあるご質問

ここでは、「肘部管症候群」に関するよくあるご質問をご紹介します。

しびれは自然に良くなる?

軽いうちは、肘の使い方を変えることで良くなる方も多くいます。

軽い〜中くらいの方の研究では、しびれの原因と肘の使い方の説明を受けた人の約9割が、6か月後に良くなっていました。一方、しびれが長く続き、手の中の筋肉がやせてくると、回復に時間がかかることがあります。しびれが続くときは、早めにご相談ください。

手に力が入らない・筋肉がやせてきたなど、手術が必要か検討したほうがよい場合は、専門の医療機関をご紹介します。

夜だけサポーターを着ければいい?

夜に肘を曲げすぎないことは大切ですが、昼間の肘の使い方がいちばん大切です。

寝ているあいだは肘を深く曲げやすく、しびれが強くなる原因になります。夜に肘を支える固定を使った研究では、多くの方が手術をせずにすみました。

ただ、説明と肘の使い方の工夫だけでも良くなり、夜の装具を足しても上乗せがなかった研究もあります。当院では、昼間の肘の使い方の工夫を中心に、夜のサポーターと運動療法を組み合わせます。着ける時間や場面は、しびれの具合に合わせてご提案します。

ゴルフ肘や手根管症候群とはちがうの?

しびれる・痛む場所と、原因になる組織が違います。

ゴルフ肘は、肘の内側の出っぱりに付く「腱」が傷んで、肘の内側が痛む状態です。肘部管症候群は、同じ肘の内側でも、出っぱりの後ろを通る「神経」がしめつけられて、小指と薬指の小指側がしびれる状態です。手根管症候群は、手首で別の神経がしめつけられ、親指〜薬指の親指側がしびれます。

重なることもあるため、当院では触って・動かして確かめ、エコーで見たうえで、それぞれに合わせて進めます。

それでもお困りなら

永田接骨院 院長の永田です。
あなたのお悩みの解決をサポートします。

当院では、触診とエコーで、肘の内側の神経の状態をしっかり確かめています。

そのうえで、しびれの具合に合わせて、肘を曲げすぎない使い方と夜のサポーターで神経を休ませ、首や手首からのしびれとも見分けながら進めています。

また、当院は運動療法を大切にしています。しびれが強い時期から、しびれずに使える腕になるまで、段階的に行っています。

小指側のしびれでお困りなら、お気軽にご相談ください。休みの日・時間外も、できるかぎり対応します。

この記事の監修:永田接骨院 院長 永田 和平(ながた わへい)
柔道整復師(13年目)。米田病院・よねだクリニックでアキレス腱断裂などの保存療法を学び、2018年から永田接骨院へ。日本臨床スポーツ医学会・日本足の外科学会 会員。日本足の外科学会などで学会発表、日本足の外科学会誌に論文掲載。
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