〒470-0331 愛知県豊田市平戸橋町永和131
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特発性大腿骨頭壊死症(股関節の痛み)

股関節や足の付け根の痛みなら、特発性大腿骨頭壊死症かもしれません

特発性大腿骨頭壊死症は、太ももの骨の付け根にある丸い頭(大腿骨頭)の一部に血が通わなくなり、骨が弱くなる病気です。弱った所に体重がかかってつぶれると、足の付け根やお尻、太もも、ひざに痛みが出ます。30〜50歳代の働きざかりに多く、国の指定難病です。

はじめはレントゲンに写りにくく、腰やひざの痛みと思われることもあります。当院では、痛みの出方とエコーで股関節を確かめ、この病気が疑われるときは専門の病院へおつなぎします。

当院は、病院と連携して進めます。

診断と治療の方針は病院で。当院は、早く気づくことと、病院の方針に合わせた運動療法でお手伝いします。

こんな症状はありませんか?

  • 足の付け根(股関節)が痛い
  • お尻・太もも・ひざが痛い
  • 歩くと痛く、休むと楽になる
  • 靴下をはく・あぐらをかく・しゃがむのがつらい
  • ステロイドの薬を使ったことがある、またはお酒をよく飲む

骨頭の一部に、血が通わなくなります

骨頭の一部に血が通わなくなる理由は、まだはっきり分かっていません。ただ、病気の治療でステロイドの薬をたくさん使った方や、お酒をたくさん飲む方、たばこを吸う方に多いことが分かっています。はっきりした原因が見つからない方もいます。

なお、ステロイドの薬は大切な病気の治療に使われています。自分の判断でやめたり減らしたりせず、主治医にご相談ください。

特発性大腿骨頭壊死症は、次のような方に多い病気です。

  1. ステロイドの薬を使ったことがある
  2. お酒をよく飲む
  3. たばこを吸う
  4. 30〜50歳代の働きざかり

日本の病院での研究では、お酒をたくさん飲んできた人は、飲まない人の約4倍この病気になりやすいと報告されています。

出典:難病情報センター「特発性大腿骨頭壊死症(指定難病71)」/Fukushima W, et al. Bone Joint J 2013;95-B:320-5(この病気の71人と病気のない227人をくらべた研究)

骨頭がつぶれると、痛みが出ます

骨頭に血が通わなくなっただけでは、痛みはありません。弱った所に体重がかかって骨頭がつぶれたときに、痛みが出ます。血が通わなくなってから痛みが出るまでには、数か月から数年かかることがあります。

つぶれた骨頭は元の丸い形に戻らず、進むと股関節の軟骨がすり減り、歩く・立つのがつらくなります。両方の股関節に起こることもあります。はじめの痛みは2〜3週ほど休むと軽くなることがありますが、そのあいだにつぶれが進み、また強くなることもあるので注意が必要です。

  1. 一部が弱る:はじめは、痛みがないこともあります。
  2. つぶれる:骨頭の丸い形がくずれ、痛みが出ます。
  3. すり減る:股関節の軟骨が傷み、歩くのがつらくなります。

骨頭のアップ(当院作成のイラスト)。オレンジが弱った所、点線は正常な丸い形です。出典:難病情報センター「特発性大腿骨頭壊死症(指定難病71)」

研究でわかっていること

特発性大腿骨頭壊死症については、日本で多くの調査が行われています。ここでは、その一部をご紹介します(数字は研究の報告で、当院の成績ではありません)。

だれに起こる?
全国の整形外科で行われた調査(1,502人)では、原因と考えられたのはステロイドの薬が51%、お酒が31%で、いちばん多い年代は40歳代でした。また、豊田市のある愛知県で、国の難病の申請書類をもとに3年間を調べた研究では、愛知県で新しくこの病気と分かる人は1年に約140人(推計)、平均は50歳で、男性が女性の約2倍でした。全国では、1年に約2,000〜3,000人が新しくこの病気と分かっています。

出典:Fukushima W, et al. Clin Orthop Relat Res 2010;468:2715-24(2005年の全国の調査)/Ikeuchi K, et al. Mod Rheumatol 2015;25:278-81(愛知県の3年間の調査)/難病情報センター「特発性大腿骨頭壊死症(指定難病71)」

気づいたときには進んでいることも
片方の股関節にこの病気が見つかった方の、まだ痛みのない股関節を調べた研究のまとめ(16の研究・664の股関節)では、約6割が、痛みが出る・骨頭がつぶれるへ進みました。また、日本の病院の研究(505の股関節)では、病院でこの病気と分かったとき、約半数はすでに骨頭がつぶれていました。つぶれやすさは壊死の大きさと場所で大きく違い、小さく体重のかからない所なら、つぶれずに過ごせることもあります。「歩けるから大丈夫」とがまんせず、早めにご相談ください。

出典:Mont MA, et al. J Bone Joint Surg Am 2010;92:2165-70(研究のまとめ)/Kuroda Y, et al. Bone Joint Res 2019;8:451-8(日本の病院、505の股関節)

病院での診断・治療と、当院の役割

この病気の診断には、骨の中を調べるMRIなどの検査が必要で、治療の方針(骨頭を残す手術をするか、人工関節にするか、手術をせずに様子を見るか)は病院で決まります。

国の難病情報センターの解説では、杖で体重をかけないようにする・長く歩かない・重い物を運ばないといった工夫は大切ですが、それだけでは骨頭がつぶれるのを止めることは大きくは期待できず、手術の時機を逃さないことが大切とされています。

  1. 当院:痛む場所や歩き方を確かめ、エコーで関節の腫れを見ます。この病気が疑われるときは、専門の病院をご紹介します。
  2. 病院:MRIなどで骨の中を調べ、手術をするかどうかなど治療の方針を決めます。
  3. 当院:病院の方針に合わせて、体重をかけすぎない工夫と、股関節に負担の少ない運動療法を行います。

当院は病院と連携し、病院の方針に合わせて施術を進めます。

出典:難病情報センター「特発性大腿骨頭壊死症(指定難病71)」病気の解説・診断・治療指針

当院の3つの施術

確かめる・負担を減らす・動かすの3つを組み合わせて、回復をサポートします。

エコーと動きの検査で、早く気づきます

エコーのイメージ図(骨の中はエコーでは見えず、MRIで調べます)

どこが痛むか、歩き方、股関節の動く範囲、靴下をはく・あぐらの動きなどを確かめます。エコーでは、股関節の中に水がたまって腫れていないかを、痛くない側とも比べながら確かめ、画面を一緒に見てご説明します。

正常では、関節の袋が骨頭にそって写ります。関節が腫れると、袋と骨のあいだに黒く水がたまって写ります。

骨頭の中の壊死は、エコーやはじめのレントゲンでは見えにくい病気です。この病気が疑われるときは、MRIなどの精密検査ができる病院をご紹介します。

体重をかけすぎない工夫を、一緒に考えます

杖・松葉杖と、体重をかけすぎない工夫

痛みが強い時期や、病院から体重のかけ方の指示があるときは、杖や松葉杖の使い方、股関節に負担のかかる動きの減らし方を一緒に考えます。体重のかけ方は、病院の先生の方針に合わせます。

  1. 長く歩く・階段:杖で、体重を分けます。
  2. 重い物・しゃがむ動作:なるべく減らします。
  3. 体重のかけ方:病院の先生の方針に合わせます。

体重をふやさないこと、お酒をひかえることも大切です。

体重をかけない運動療法で、筋力と動きを保ちます

体重をかけずに、股関節まわりの筋肉を保つ

股関節に体重をかけずにできる運動療法で、お尻・お腹(体幹)・太ももの筋肉を保ち、股関節の動きがかたくならないようにします。痛みの具合と病院の方針を見ながら、無理のない運動から始めます。

手術を受けた方も、病院のリハビリの方針に合わせてサポートします。仕事や運動への復帰は、歩き方・階段・片脚立ちなどの動きと、痛み・腫れ・エコー・股関節の動く範囲をあわせて、病院の先生の方針のもとで考えます。

当院の運動療法(時期別)

股関節に体重をかけない運動療法が中心です。痛みの具合と病院の方針を見ながら、無理のない運動から始めます。

  1. はじめの時期:おしり上げ あお向けで、お尻を持ち上げます。
  2. はじめの時期:ひじをついて体をまっすぐ お腹(体幹)の運動療法です。
  3. 慣れてきたら:横向きで脚を上げる お尻の横の筋肉を強くします。
  4. 慣れてきたら:エアロバイク 体重をかけずに脚を動かします。

進め方は、痛みと病院の方針を見てお伝えします。

はじめの時期はおしり上げとひじをついて体をまっすぐ保つ運動、慣れてきたら横向きで脚を上げる運動とエアロバイクへ進めます。どれも股関節に体重をかけずにできる運動です。

当院がおすすめする通院のペース

通院のペースは、症状によって変わります。

  1. はじめの時期はなるべく毎日:痛みと動きを確かめ、体重をかけすぎない工夫をお伝えします。
  2. 良くなってきたら週3回:運動療法の段階を進めていきます。
  3. さらに良くなったら週2回:歩き方や日常の動きを見直します。
  4. リハビリ完了時に最終確認:動きと股関節の様子をあわせて確かめます。

回数を減らすタイミングは、症状を見て、こちらからお伝えします。病院の受診も続けてください。

困ったときは、いつでもご相談ください

こんなときは、すぐご連絡を

  • 急に痛みが強くなった
  • 歩けない・脚に体重をかけられない
  • 夜、じっとしていても痛む
  • 一度軽くなった痛みが、また強くなってきた(病院の受診も)

おうちで守ってほしいこと

  • 痛みをこらえて、長く歩かない
  • 重い物を持つ・深くしゃがむ動作をひかえる
  • ステロイドの薬は自分でやめず、主治医に相談する
  • お酒をひかえ、体重をふやさない

特発性大腿骨頭壊死症に関するよくあるご質問

ここでは、「特発性大腿骨頭壊死症」に関するよくあるご質問をご紹介します。

接骨院で治療できますか?

診断と治療の方針は病院で。当院は、その前後をお手伝いします。

この病気の診断と治療の方針(手術をするかどうかなど)は、MRIなどの検査ができる病院で決まります。当院では、痛みの出方とエコーで股関節を確かめ、この病気が疑われるときは専門の病院をご紹介します。

病院で方針が決まったあとは、その方針に合わせて、体重をかけすぎない工夫や運動療法で、毎日の生活を支えます。

痛みが軽くなったので、もう大丈夫ですか?

痛みが軽くなっても、自己判断でやめないでください。

この病気では、はじめの痛みが2〜3週ほど休むと軽くなることがあります。ただ、痛みが軽くなっても骨頭の弱った所は残っていて、つぶれが進むとまた痛みが強くなることがあります。

痛みが軽くなっても、通院や病院の受診を自己判断でやめず、定期的に確かめていきましょう。

変形性股関節症とはちがうの?

どちらも股関節の病気ですが、始まり方が違います。

変形性股関節症は、股関節の軟骨が少しずつすり減っていく病気です。特発性大腿骨頭壊死症は、骨頭の骨の一部に血が通わなくなってつぶれる病気で、進むと同じように軟骨がすり減ります。はじめはレントゲンでは見分けにくいため、MRIで調べます。

また、この病気は腰やひざの痛みで始まることもあります。「ひざが痛い」と思っていたら股関節が原因だった、ということもあるので、ひざの痛みが続く方は変形性膝関節症のページもあわせてご覧ください。

それでもお困りなら

永田接骨院 院長の永田です。
あなたのお悩みの解決をサポートします。

当院では、痛む場所・歩き方・股関節の動きとエコーで、足の付け根やお尻・ひざの痛みが股関節からきていないかをしっかり確かめています。

この病気が疑われるときは、専門の病院をご紹介し、病院の方針が決まったあとは、その方針に合わせて体重をかけすぎない工夫と運動療法でお手伝いします。

足の付け根やお尻・ひざの痛みが続くなら、お気軽にご相談ください。休みの日・時間外も、できるかぎり対応します。

この記事の監修:永田接骨院 院長 永田 和平(ながた わへい)
柔道整復師(13年目)。米田病院・よねだクリニックでアキレス腱断裂などの保存療法を学び、2018年から永田接骨院へ。日本臨床スポーツ医学会・日本足の外科学会 会員。日本足の外科学会などで学会発表、日本足の外科学会誌に論文掲載。
院長のプロフィールはこちら → 院長ごあいさつ

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