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肋骨骨折(肋骨のひび・骨折)

深呼吸やせきで胸が痛むなら、肋骨骨折かもしれません

肋骨(ろっこつ)は胸をかこむ細い骨で、胸を打ったときや転んだとき、強いせきが続いたあとに、ひびが入ったり折れたりします。

「ただの打撲」と思ってがまんされる方も多いですが、ひびのような骨折はレントゲンに写りにくいことがあります。当院ではエコーで骨の状態を確かめ、胸の固定と呼吸の運動療法で回復を助けます。

当院は、運動療法を大切にしています。

レントゲンに写りにくいひびも、エコーで確かめます。

こんな症状はありませんか?

  • 深く息を吸うと、胸や脇が痛む
  • せき・くしゃみ・笑うと胸に響く
  • 寝返りや起き上がりで痛む
  • 押すと1か所が強く痛む
  • 胸を打った・強いせきが続いたあとから痛む

「打撲」と思っても、骨折のことがあります

肋骨は細い骨なので、強くぶつけたときだけでなく、転んで胸を打ったときや、せきが続いたあとにも折れることがあります。ひびのような骨折はレントゲンに写りにくく、見た目にも分かりにくいため、打撲と思われがちです。

また肋骨は息をするたびに動くので、固定せずに動き続けると、骨がずれたり、くっつくのが遅れたりすることがあります。

  1. 正常:骨の線がつながっています。
  2. ひびが入る:レントゲンに写りにくいことがあります。
  3. ずれる:動き続けると、ずれることもあります。

息をするたびに肋骨は動くため、最初の見きわめと固定が大切です。

痛みで息が浅くなると

肋骨を骨折すると、痛みのために深く息が吸えなくなります。せきをがまんすると、たんが肺にたまりやすくなり、肺炎につながることもあります(とくにご高齢の方は注意が必要です)。

痛みをやわらげて、深い呼吸ができるようにすることが大切です。

  1. 正常は胸が広がって深く吸えますが、肋骨を骨折すると痛くて浅い呼吸になります。
  2. 痛くて深く吸えない → せきをがまんする → たんがたまる → 肺炎になることもあります。

研究でわかっていること

肋骨骨折については、国内外で多くの研究が行われています。ここでは、その一部をご紹介します(数字は研究の報告で、当院の成績ではありません)。

ひびは、レントゲンに写りにくいことがあります
肋骨の骨折が疑われた50人にレントゲンとエコーを両方行った香港の研究では、骨折が見つかったのはレントゲンで6人、エコーで39人でした。胸を打った方でエコーとレントゲンを比べた13の研究をまとめた報告でも、エコーのほうが見つけやすいという結果でした(ただし、どれも小さな研究で、はっきりとは言い切れないとされています)。

出典:Griffith JF, et al. AJR Am J Roentgenol 1999;173:1603-9/Battle C, et al. Emerg Med J 2019;36:185-90

痛みが長引くこともあります
アメリカの重いけがを診る病院の研究では、肋骨の骨折だけだった方でも、約3人に2人が2か月後も胸の痛みが続いていました。同じグループの研究では、半年後に痛みが残っていたのは約4人に1人まで減っていました。

当院に来られる方より重いけがの方が中心の研究ですが、「肋骨はそのうち良くなる」とがまんせず、最初の対応を大切にしましょう。

出典:Fabricant L, et al. Am J Surg 2013;205:511-5/Gordy S, et al. Am J Surg 2014;207:659-62

呼吸の練習が、回復を助けます

肋骨を骨折して入院した方の9つの研究(811人)をまとめた報告では、ふつうの治療に呼吸の練習を加えた方は、肺炎などの肺の感染が約4分の1に減り、入院の日数も短くなっていました。

入院した方の研究ですが、痛みで呼吸が浅くなるのは通院の方も同じです。

当院でも、痛みの具合を見ながら、深い呼吸の練習から運動療法を始めます。

出典:Zhang H, et al. BMC Sports Sci Med Rehabil 2025;17:59

当院の3つの施術

確かめる・負担を減らす・動かすの3つを組み合わせて、回復をサポートします。

エコーで骨折を確かめます

エコー画像(論文の画像・CC BY 4.0。出典は図の中)

レントゲンに写りにくいひびも、エコーなら骨の線の切れ目や段差として見えることがあります。どこが折れているか、ずれていないかを確かめ、画面を一緒に見ながらご説明します。必要なときは、精密検査ができる医療機関をご紹介します。

正常では骨の線がつながっていますが、骨折では骨の線が切れて段になって見えます。

胸に巻いて固定します

バストバンド・晒し固定

バストバンドや晒し(さらし)固定で胸を巻き、折れた所が動きにくいようにして痛みをやわらげます。

きつすぎると息がしにくくなるので、深く息ができる強さに当院で調整します。

呼吸の運動療法から始めます

ゆっくり深呼吸・肩甲骨を寄せる

当院がとくに大切にしているのが、運動療法です。痛みでかたくなった胸を、ゆっくりした深呼吸から少しずつ動かしていきます。

骨のつき具合を見ながら、肩甲骨や胸を開く運動療法へ進め、仕事やスポーツへ戻る時期は、深呼吸やせき、腕を上げる・体をひねる動きと、エコーでの骨の様子をあわせて判断します。

当院の運動療法(時期別)

どんなに良い運動療法も、時期とやり方を間違えると、痛みがぶり返します。当院では、痛みと骨のつき具合に合わせて段階を進めます。

  1. 痛みが強い時期:ゆっくり深呼吸 胸とお腹に手を当てて、ゆっくり息を吸います。
  2. 痛みが落ち着いたら:肩甲骨を寄せる・胸を開く かたくなった胸と背中を少しずつ動かします。
  3. 骨がついてきたら:上半身をひねる 痛みを見ながら、ひねる動きを戻します。

スタッフが胸の様子を見ながら、回復に合わせて進めます。進め方は、痛みとエコーを見てお伝えします。

痛みが強い時期はゆっくり深呼吸、痛みが落ち着いたら肩甲骨を寄せる運動と胸を開く運動、骨がついてきたら上半身をひねる運動へ進めます。

当院がおすすめする通院のペース

通院のペースは、症状によって変わります。

  1. はじめの時期は毎日:エコーで確かめ、胸を固定して、呼吸の運動療法を行います。
  2. 良くなってきたら週3回:運動療法の段階を進めていきます。
  3. さらに良くなったら週2回:腕を上げる・体をひねる動きを見直します。
  4. リハビリ完了時に最終確認:動きと骨の様子をあわせて確かめます。

回数を減らすタイミングは、症状を見て、こちらからお伝えします。

困ったときは、いつでもご相談ください

こんなときは、すぐに救急へ(119番)

  • 息が苦しい
  • 血をはく
  • 痛みがどんどん強くなる
  • 冷や汗が出る・顔色が悪い

肺や内臓のけがのことがあります。迷わず119番を。

おうちで守ってほしいこと

  • せき・くしゃみのときは、胸に手を当てて支える
  • 痛みをがまんして、重い物を持ったり体をひねったりしない
  • 浅い呼吸のままにせず、ゆっくり深呼吸をする
  • バンドがきつく息苦しいときは、自分で強く締めずにご相談を

肋骨骨折に関するよくあるご質問

ここでは、「肋骨骨折」に関するよくあるご質問をご紹介します。

放っておいても良くなる?

自然につくことも多い骨ですが、痛みが長引くことがあります。

肋骨は自然につくことも多い骨ですが、痛みで呼吸が浅くなったり、動き続けて骨がずれたりすると、痛みが長引くことがあります。研究でも、2か月たっても痛みが続く方が少なくありませんでした。

最初に骨の状態を確かめて固定し、呼吸の運動療法を始めることが回復の助けになります。

レントゲンで「骨折はない」と言われたけれど痛い

ひびはレントゲンに写りにくいことがあります。エコーで確かめられます。

肋骨のひびは、レントゲンに写りにくいことがあります。深く息を吸う・せきをすると痛む、押すと1か所が強く痛むといった場合は、エコーで確かめられますのでご相談ください。

肋間筋損傷とはちがうの?

どちらも息やせきで胸が痛みますが、傷む所が違います。

肋間筋損傷は、肋骨と肋骨のあいだの筋肉が傷む状態で、骨は折れていません。肋骨骨折は、骨そのものにひびが入ったり折れたりした状態です。どちらも息やせきで胸が痛むため、症状だけでは見分けにくいことがあります。

当院では、押して痛む場所を確かめ、エコーで骨の線が切れていないかを見て見分けます。

それでもお困りなら

永田接骨院 院長の永田です。
あなたのお悩みの解決をサポートします。

当院では、触診とエコーで、肋骨の状態をしっかり確かめています。

そのうえで、バストバンドや晒しで胸を固定し、深い呼吸ができる強さに調整しています。

また、当院は運動療法を大切にしています。痛みが強い時期の深呼吸から、仕事やスポーツに戻るまで、段階的に行っています。

肋骨骨折でお困りなら、お気軽にご相談ください。休みの日・時間外も、できるかぎり対応します。

この記事の監修:永田接骨院 院長 永田 和平(ながた わへい)
柔道整復師(13年目)。米田病院・よねだクリニックでアキレス腱断裂などの保存療法を学び、2018年から永田接骨院へ。日本臨床スポーツ医学会・日本足の外科学会 会員。日本足の外科学会などで学会発表、日本足の外科学会誌に論文掲載。
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